マカセルンに会社の情報を入れてよいか|入力していいもの・避けるべきもの
「安全です」とは書きません
この種の記事は、たいてい「安心してお使いいただけます」で終わります。この記事はそうしません。
理由は、**安全かどうかを決めるのは、サービス側ではなく使う側だからです。**同じ情報でも、会社によって扱いの厳しさは違います。金融機関と個人事業主では基準が違いますし、同じ会社でも部署によって違うことがあります。
だからこの記事で書くのは、「安全です」という結論ではなく、あなたが自分で判断するために必要な材料です。
まず、事実として何が起きるのか
マカセルン powered by AXIOM に文章を入力すると、次のことが起きます。
1. 入力内容は、その実行の処理のために使われます。
2. AIモデルで処理する構成では、入力内容がモデル提供元のAPIへ送信されます。
これが最も重要な点です。入力した文章は、**外部のAIモデル提供事業者のAPIへ送られます。**手元のパソコンの中だけで処理が完結するわけではありません。
3. 実行のたびにProof of Execution(実行の証跡)が記録されます。
4. ログインしている場合、実行の履歴がダッシュボードに残ります。
この4点を前提に、以下を読んでください。技術的な流れの詳細は入力した内容はどこへ行くのか|データの扱いを開示するに分けて書いています。
判断の基準:3つの問い
会社の情報を入力してよいかを判断するとき、次の3つを順に確認してください。
問い1:その情報は、社外のクラウドサービスに置いてよいものか
これは、マカセルンに限った問いではありません。すでに使っているクラウドサービスと同じ基準で考えられます。
たとえば、社内でクラウド型のメールやファイル共有、チャットツールを使っている場合、それらに置いてよい情報の基準がすでにあるはずです。マカセルンへの入力も、まずはその基準に照らしてください。
その基準で「置いてよい」情報であれば、マカセルンへの入力も同じ判断でおおむね足ります。
問い2:契約や規程で、外部送信が制限されていないか
取引先との秘密保持契約(NDA)で、情報の取り扱い範囲が定められている場合があります。「第三者に開示しない」「外部サービスへの登録を禁じる」といった条項です。
**AIサービスへの入力が、この条項に触れるかどうかは契約によります。**判断がつかない場合は、契約書を確認するか、法務に相談してください。
問い3:それを入力しないと、目的が達成できないか
意外と見落とされますが、入力する必要がない情報を外していれば、多くの問題は消えます。
たとえば会議メモを整理するとき、「株式会社〇〇の田中様」という実名が必要でしょうか。「A社の担当者」に置き換えても、議事録としての整理は成立します。
**目的に必要な情報だけを渡す。**これがいちばん確実な対処です。
入力しないほうがよい情報の具体例
上の3つの問いを通したうえで、一般的に避けたほうがよいものを挙げます。これは規則ではなく、判断の目安です。
明確に避けるべきもの
- ログイン情報(ID、パスワード、APIキー、アクセストークン)
- クレジットカード番号、銀行口座の情報
- マイナンバー
- 他人の個人情報を、本人の想定を超えて渡すこと
これらは、整理作業に必要になる場面がそもそもありません。
慎重に判断すべきもの
- 顧客の氏名・連絡先・住所 → 置き換えて渡せないか、まず検討してください
- 要配慮個人情報(健康状態、病歴、障害、信条、社会的身分など) → 医療・介護・人事の現場では実際に扱われる情報です。社内規程での扱いを確認してください
- 未公開の経営情報(M&A、人事異動、未発表の製品情報)
- 取引先から預かった資料の内容 → NDAの対象である可能性が高い情報です
比較的問題になりにくいもの
- 自分が書いた文章の下書き
- 一般的な業務の手順や段取り
- 匿名化した会議メモ
- 金額や社名を伏せた見積の条件
情報を減らしても、機能は落ちません
「情報を外したら、うまく整理されないのでは」と思われるかもしれません。実際には、置き換えても結果はほとんど変わりません。
マカセルンが行うのは、渡された文章の構造を整えることです。「株式会社〇〇」が「A社」になっても、決定事項と持ち帰りを分ける作業には影響しません。
具体例を挙げます。
そのまま渡す場合
9/12 株式会社山田製作所 定例
出席 山田社長 田中部長 弊社2名
次回リリース10月中旬 デザイン修正2回まで
置き換えて渡す場合
9/12 A社 定例
出席 先方2名 こちら2名
次回リリース10月中旬 デザイン修正2回まで
**どちらでも、返ってくる整理結果は同じです。**後者のほうが、判断に迷う要素が減ります。
戻す作業は、出力された議事録に対して自分で置き換えればいいだけです。数秒で済みます。
社内で確認を取るときに使える材料
情シスや上長に相談する場合、次の点を伝えると話が早く進みます。
| 確認されやすい点 | 事実 |
|---|---|
| 外部に送信されるか | **されます。**AIモデル提供元のAPIへ送信されます |
| ファイルをアップロードするか | **しません。**渡すのは文章です。ファイルの読み取り機能はありません(レシート画像を除く) |
| 社内システムに接続するか | **しません。**外部サービスの操作・連携は行いません |
| データを書き込まれるか | **されません。**こちらから社内システムへ何かを書き込むことはありません |
| 決済情報の扱い | 決済はStripeが処理します。カード情報がこちらのサーバーを通ることはありません |
| 利用開始に何が必要か | 無料の7機能はアカウント登録も不要です |
**「アカウント登録が不要」という点は、社内確認では有利に働くことが多いと思います。**従業員のメールアドレスを外部サービスに登録する手続きが不要だからです。
より詳しい説明資料としては会社として使ってよいか|社内で説明するための材料をご覧ください。
「外部に送信される」ことをどう評価するか
正直に書くと、**外部送信が一切ないAIサービスは、選択肢としてほとんど存在しません。**手元の機器だけで動くものを除けば、クラウド上のAIモデルを使う以上、送信は発生します。
したがって判断は「送信されるかどうか」ではなく、**「何を送信するか」**になります。
そして何を送信するかは、**使う側が完全に制御できます。**入力欄に何を書くかを決めるのは、サービス側ではありません。
この記事で繰り返し「置き換えて渡す」ことを勧めているのは、それが唯一、使う側の手の中にある対策だからです。
出力についての注意
情報の入力と同じくらい重要なのが、出力の扱いです。
**返ってきた内容は下書きです。**そのまま送信・提出しないでください。
とくに以下の場合は、必ず人が確認してください。
- 社外に送る文面(金額・納期・約束事が含まれる場合は特に)
- 社内の正式な記録として残す書類
- 判断の根拠として使われる整理結果
マカセルンは書かれていないことを推測で補わない設計になっていますが、文脈の取り違えは完全には防げません。会話の中で否定された案が「決まったこと」に分類される、といったことは起こり得ます。
使ってはいけない用途
これは情報の種類ではなく、用途の話です。以下の判断を、マカセルンの出力に委ねないでください。
- 医療上の判断、診断、治療方針の決定
- 法律上の有効性の判断、契約の解釈
- 税務上の処理の適否の最終判断
- 労務上の処分の妥当性の判断
これらについては、整理の材料として使うことはできても、判断そのものは有資格者が行う必要があります。
よくある質問
Q. 入力した内容は、AIの学習に使われますか。
A. データの扱いの詳細はプライバシーポリシーおよび入力した内容はどこへ行くのかに記載しています。ご利用前にご確認ください。
Q. 社内規程で、生成AIの業務利用が禁止されています。
A. 規程が優先します。規程で禁止されている場合、この記事の内容にかかわらず使用しないでください。
Q. 顧客名を伏せると、整理の精度が落ちませんか。
A. ほとんど変わりません。マカセルンが行うのは文章の構造を整えることであり、固有名詞の正確さは整理の精度にほぼ影響しません。
Q. アカウントを作らずに使えば、記録は残りませんか。
A. アカウントなしで使った場合、結果はその場の画面表示で完結し、履歴を後から見返すことはできません。ただし、入力内容がAIモデル提供元のAPIへ送信される点は、ログインの有無にかかわらず同じです。
Q. 情シスから「詳しい資料がほしい」と言われました。
A. 会社として使ってよいか|社内で説明するための材料に、確認されやすい項目をまとめています。それでも不足する場合は、法人向けの窓口からご相談いただけます。
Q. 結局、使ってよいのでしょうか。
A. **この記事は「よい」とも「だめ」とも言いません。**判断の材料を提供するところまでが、こちらの役割だと考えています。上の3つの問いに照らして、自社の基準でご判断ください。
まとめ
- **入力内容はAIモデル提供元のAPIへ送信されます。**これは事実として先に書いておきます
- 判断の基準は3つ。①社外クラウドに置いてよい情報か ②契約・規程に触れないか ③その情報が本当に必要か
- ログイン情報・カード番号・マイナンバーは入力しないでください
- **顧客名や社名は置き換えて渡せます。**置き換えても整理結果はほぼ変わりません
- 無料の7機能はアカウント登録も不要です。社内確認では有利に働きます
- 医療・法務・税務・労務の判断には使わないでください
- 出力は下書きです。必ず人が確認してください
任せてよい範囲を確認したうえで、実際にどんな仕事があるかを見ていただくのが確実です。
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