商談記録に「誰が決められるか」を残す|上長に毎回聞かれる項目
報告で詰まるのは、たいてい同じ質問
商談から戻って報告すると、だいたい同じところで止まります。
「それで、先方は誰が決めるの」
このとき答えられないと、報告全体の評価が下がります。どれだけ丁寧に内容を記録していても、決める人が分からない商談は、進んでいるかどうかが判断できないためです。
そして厄介なことに、この情報は商談の場では自然に手に入っていることが多いのです。名刺交換をして、役職を見て、話の流れで「上に確認します」と言われている。それなのに記録に残らない。
理由は単純で、議事録のフォーマットに書く欄がないからです。
商談議事録に必要な項目
一般的に、商談議事録には次が必要とされています。
- 日時・場所
- 出席者(役職を含む)
- 決裁権の有無
- 議論の内容
- 決定事項
- 持ち帰り事項
- ネクストアクション(誰が・いつまでに・何を)
このうち、太字の2つが抜けやすい項目です。
会議メモを取るとき、人は「話の中身」を書きます。誰がその場にいたか、その人が決められる立場かは、その場では自明なので書かないのです。そして1週間後には忘れています。
「決裁権」を記録するときに書くこと
「決裁者は田中部長」と一言書けば足りる、というものではありません。実務で使える形にするには、次の3つを分けて記録します。
1. その場にいた人と役職
先方:田中部長(情報システム部)、佐藤さん(同・担当)
当方:2名
役職まで書いておくと、後から組織図と照らせます。
2. その人がどこまで決められるか
これは**本人の発言から拾います。**推測しません。
田中部長「この規模なら部内で決められます」
→ 部長決裁で可能と本人が発言
田中部長「金額によっては役員会にかけます」
→ 金額次第で上位決裁が必要。基準額は未確認
後者の書き方が重要です。「役員会が必要」と断定せず、「金額次第」「基準額は未確認」と書く。これが次の確認事項になります。
3. 決裁のプロセスと時期
「稟議は月末締め、翌月頭の会議で決裁」
→ 次回決裁タイミング:10月上旬(本人談)
**「本人談」と付けておくと、後から精度が分かります。**推測なのか、聞いた話なのかが区別できます。
実際の記録例
商談中に取るメモは、こんな形で十分です。
9/24 A社 2回目
先方 田中部長(情シス)佐藤さん(担当)
当方 2名
・現行システムの更新が来期 予算はこれから
・田中部長「この規模なら部内で決められます」
・ただし「300万超えたら役員会」とも
・稟議は月末締め 翌月頭に会議
・佐藤さんが要件をまとめて部長へ上げる流れ
・次回 10/8 こちらから提案書
**きれいに整える必要はありません。**役職と、決裁に関する発言が入っていれば足ります。
マカセルンで整理するとどうなるか
上のメモをマカセルン powered by AXIOM の「会議メモの整理」に貼り付けると、次の形に分かれて返ってきます。
決まったこと
- 次回は10月8日。こちらから提案書を提出する
- 佐藤さんが要件をまとめ、田中部長へ上げる
持ち帰りになったこと
- 提案書の作成(担当:当方/期限:10月8日)
確認が必要な点
- 来期の予算はこれから。金額が未確定
- 「300万超は役員会」との発言があるが、基準額の正確な条件は未確認
注目していただきたい点
「300万超は役員会」が、決定事項ではなく確認事項に入っています。
メモには田中部長の発言として書いてありますが、**それが正式な規程なのか、その場の感覚なのかは分かりません。**マカセルンは書かれていない部分を推測で埋めないため、「確認が必要な点」として残します。
この項目が、次回商談での確認事項になります。
決裁者の情報を、推測で埋めてはいけない理由
ここは強調しておきたい部分です。
「たぶん部長決裁だろう」と書いた議事録は、社内で事実として扱われます。
議事録を読んだ上長は、それを前提に動きます。提案の規模を決め、見積を作り、社内のリソースを割り当てる。そして後から「実は役員決裁だった」と分かったとき、失われるのは時間だけではありません。
- 提案のタイミングを逃す
- 稟議のサイクルを1か月待つことになる
- 「確認していなかったのか」という評価になる
推測で埋めた1行が、案件全体の進行に影響します。
マカセルンが書かれていないことを補わないのは、この形の失敗を避けるためです。空欄が残っている議事録は見栄えが悪いですが、空欄だと分かる状態のほうが安全です。
よくある失敗
失敗1:役職を書かない
「田中さんと打ち合わせ」とだけ書く。1か月後、田中さんが誰だったか分からなくなります。
**対策:**名刺を見て、役職まで書く。それだけです。
失敗2:「決裁者」を1人だと思い込む
実際には、技術的な承認と金額の承認が別の人であることがよくあります。
技術面:情シス部長が判断
金額面:経理部の承認が必要
対策:「何を誰が決めるか」で分けて書く。
失敗3:決裁者に会えていないことを記録しない
担当者とだけ話していて、決裁者に一度も会っていない。これは記録すべき事実です。
※ 田中部長には未接触。佐藤さん経由で内容が伝わる形
こう書いてあれば、上長は「一度会っておけ」と判断できます。書いていなければ、会えているものとして扱われます。
失敗4:複数回の商談で情報が分散する
1回目で役職を聞き、3回目で決裁の流れを聞いた場合、情報が2つの議事録に分かれます。
**対策:**各回のメモに、その時点で分かっている決裁の構図を書き直す。重複しても構いません。最新の1件を見れば全体が分かる状態にしておきます。
向いているケース・向いていないケース
向いている
- 法人営業で、複数回の商談を重ねる案件
- 社内で商談の進捗を報告する必要がある
- 商談の記録が担当者ごとにばらついている
- 1日に複数件の訪問があり、夕方には内容が混ざっている
- 録音の同意を取りにくい商談(マカセルンは録音しません)
向いていない
- 自分がほとんど話していて、メモを取る余裕がない(メモがなければ入力がありません)
- 発言を逐語で残す必要がある
- 決裁の構図そのものを推測してほしい(推測はしません)
- 参加していない商談の内容を知りたい
録音型の議事録ツールとの違いは議事録AIとの違い|音声を録るものと、メモを整えるものに書いています。
注意していただきたいこと
出力はそのまま提出しないでください
とくに**「決まったこと」の欄を、元のメモと突き合わせてください。**
商談では「検討します」「前向きです」といった曖昧な返事が多く出ます。これらが決定事項として分類される可能性があります。3〜5項目なので30秒で確認できます。
確認すべき点はAIの出力をそのまま使ってよいか|送る前に確認すべき5点に整理しています。
先方の個人情報の扱い
商談メモには、先方の氏名・役職・所属が含まれます。入力内容はAIモデル提供元のAPIへ送信されます。
社内の情報取り扱いルールを確認してください。実務的には、**「田中部長」を「先方部長」に置き換えても整理の結果はほとんど変わります。**置き換えて渡し、出力後に自分で戻すほうが安全な場合があります。
よくある質問
Q. 決裁権について、メモに書いていない場合はどうなりますか。
A. 出力にも出ません。**推測で補わないためです。**書いていなければ、その項目は存在しないものとして扱われます。
Q. 「確認が必要な点」に出てこない項目もありますか。
A. 「確認が必要な点」に挙がるのは、メモの中で曖昧なまま残っている記述です。そもそもメモに一言も出ていない話題は、挙がりません。決裁の話が一切出ていない商談では、指摘されません。
Q. 商談ごとに別々に整理すべきですか。
A. **商談ごとに分けて渡すほうが、結果は安定します。**複数の案件を1つの入力に混ぜると、どの決定がどの案件のものか分からなくなります。
Q. 無料ですか。
A. 会議メモの整理は無料7機能の1つです。アカウント登録もカード情報も不要で、回数の制限もありません。
Q. 商談の後にやるべきことまで組み立ててほしいのですが。
A. それは有料の「商談フォローアップ整理」が対応します(単品¥980・税込・買い切り/月額プラン¥2,980・税込・自動更新の対象)。無料の会議メモ整理は、記録を整えるところまでです。
Q. 面談や1on1の記録にも使えますか。
A. 使えます。ただし記録として残す観点が少し違うため、面談・1on1の記録を、あとから読める形で残すに分けて書いています。
まとめ
- 上長が必ず聞くのは**「誰が決めるのか」**。ここが抜けた議事録は進捗を判断できない
- 記録するのは3つ。①出席者と役職 ②どこまで決められるか(本人の発言から) ③決裁プロセスと時期
- 「本人談」と付けておくと、推測か実聞かが区別できる
- **決裁者の情報を推測で埋めない。**議事録に書いた瞬間、社内で事実として扱われます
- マカセルンは書かれていないことを補わず、「確認が必要な点」として残します
- よくある失敗は、役職を書かない/決裁者を1人と思い込む/未接触を記録しない/情報が複数回に分散する
- 会議メモの整理は無料・登録不要。録音はしません
商談の記録を整えたあと、その次に発生する仕事も任せられます。
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